黒猫翁の言いたい砲弾

新聞やテレビを賑わしていることについて思ったことを書いていくページです。公開の備忘録?ですかねw

何でもかんでも「忖度」された人は極悪人!

なんだか↓のようなのがありました。愛知県の大村知事の記事です。

 

愛知県知事が激怒 JAXAに「政府の意向のみ忖度している」 知事が視察巡り猛抗議 - 産経WEST

 

「8月に鹿児島県種子島でロケット打ち上げを視察する予定だった愛知県の大村秀章知事が、内閣改造で新大臣の視察が入る可能性を理由に受け入れを事実上断られたとして、宇宙航空研究開発機構JAXA)に抗議文を送ったことが21日、愛知県への取材で分かった。

 大村氏は「内閣府文部科学省の意向のみを受け入れ、忖度(そんたく)するのでなく、一般社会常識を踏まえて」と憤慨。JAXAは「調整に手間取っている理由の説明で内閣改造に触れた。断ってはいないが、誤解を生じさせた」としている。」

 

 要するに,大村愛知県知事がJAXAに「私は知事だが見学させてくれ!」といったところ,(JAXAが)日程的な事情もあるのでちょっと待ってと答えたら,なぜか突如「憤慨」して,内閣府文部科学省ばかりを「忖度」してるだろう?あんた方は?〔この落とし前どうつけてくれる?〕

 

・・・・という,普通なら「愛知県知事 JAXAに討ち入り! ソンタクなる呪文を連呼して見学の予約をごりおし?」みたいな記事になりそうですが,どうなのでしょう。

 

 安倍総理大臣の場合,たしか経済特区とかの中で何とか学園に「忖度した」といわれているのだと理解しています。そもそもアベノミクス経済特区を作るとが出たときは,実は思わず吹き出してしまったのですが,あれは日本のような先進国が作るものではないですよ。いわゆる戦時中の租界と実質的にはまったく同じものです。戦争も終わり,自由と平等をうたった国がまたまたこれを復活するというのは完全におかしいです。それでも平成の時代に何故か作った,ということは,もう答えは一つしかありません。つまりは「政治権力を取った人又はそれにぶら下がる人」が,周囲の人間にソンタクさせて自分たちの利益を簡単に誘導できる特別区域を作るためでしょう。租界あるいは特区の存在意義というものを考えてみた場合,どう考えてもそれ以外に理由がないのです。だから,現内閣が一生懸命忖度がなかったなどといっても土台無理な話です。忖度させるための「租界」での出来事である以上,事情を知ってる年寄りはみんな冷たい目で見てますよ。今回の場合,安倍総理というより,こんな時代になぜか笑止千万の特区を作ってしまった国会議員等の人々やそれに連なる経済官僚の首をきっぱりと切るべきでしょう。

 

 だけど,「忖度」という言葉を大村知事のように政治的に使うのはおかしいです。忖度というのは,少なくとも日本のサラリーマン社会では当たり前のようにあって,別に珍しいことではないです。私自身もこれまでの人生で何度も忖度したこともありますし,逆に忖度されたこともあります。要は最終的にその仕事としてきちんとしたものになればいいのであって,忖度自体に善悪はありません。この記事のように扱われてしまうと,忖度が悪い,ということになって子供たちの親に対する態度やそれに伴う社会的な環境などに相当悪影響を及ぼしますよね。知事ともなれば,言葉一つ一つの意味を一生懸命考えながら,県民全体の幸福を考慮すべきであって,それができない人は知事の資格はないと思います。(黒猫翁)