黒猫翁の言いたい砲弾

新聞やテレビを賑わしていることについて思ったことを書いていくページです。公開の備忘録?ですかねw

藤井聡氏に対する維新の党の対応ぶりを分析しました(1)

 当初は藤井京大教授と橋下大阪市長との建設的な議論の応酬をじっくりと考えようと思って書き出したシリーズ記事でしたが、藤井氏がインターネットで「7つの事実」を公表して以来、市長率いる「大阪維新の会」や「維新の党」という政治団体がどんどんおかしな方向へと走り出してしまいました。

 これまでの流れを簡単におさらいしてみましょう(順序不同や細部を端折っている点はご容赦ください)。

 まず、「7つの事実」公表に対して、市長側は具体的な説明なり回答をするでもなく、2年以上前に藤井氏が出演した対談番組の動画

http://satoshi-fujii.com/150208-2/

をほじくり出し「これは市長に対する人格攻撃だ」と批判しました。
 そのあとは、名誉棄損ともいえる公開の場での悪口雑言、そしていきなり大阪維新の会が「公開討論」を申し入れ藤井氏がこれに応じないと見るや橋下市長は同氏が「逃げた」と決め付け勝手に勝利宣言?を出しました(「もう私自身が相手にする必要もない等々」)。ネット上ではまるで突撃命令でも出たかのように匿名の維新支持者たちが一斉に騒ぎ立て、目を覆いたくなるような罵詈雑言の嵐が吹き荒れたのは記憶に新しいところです。
 しばらくすると今度は「マスコミや国立大学は中立であるべきである」という見解を新たに発信し始め、維新の党名義で藤井氏の活動に関する見解を問う文書を京大総長に送り付け、適切な対応を取らなければ国会で取り上げると書いたり、テレビメディアに対しては藤井氏の起用などに対して報道姿勢に“留意”を求めたり、最近では藤井氏が中立であると主張するのであれば自民党だけでなく維新の党のタウンミーティングにも来いと前述のお二人に再び文書を送り付けています。


 さてここまで書いてきて、マスコミやネット市民、あるいは本件をフォローしてきているすべての方々に対してあえてひとつ問いかけをしたいのですが、

それはそうと「7つの事実」に対する維新側からの回答はどうなってしまったのでしょうか?

 「あぁ忘れていました」という方は、(すでに票読みを始めて懸念を募らせている)維新が苦肉の策で繰り出した「論点逸らし」の下策にまんまと嵌ってしまっているのではないでしょうか。

 住民投票を控えた大阪市有権者が本当に知りたいのは、藤井氏のヘドロ発言が正当化できるかどうか――とか藤井氏が公開討論を受けるかどうか――とか藤井氏の活動が中立かどうか――とかいう呑気な話ではありません。市民が一票を投じるか否かは、たまたま藤井氏という学者が述べている学問的な内容が事実かどうか?という点にかかっているのだと思います。維新の会は顔を真っ赤にしてひたすら「論点逸らし」に狂奔し、「7つの事実」に対する論理的な反論を完全に怠っていますが、これから5月投票までの期間、藤井氏の相変わらずマイペースな情報発信力を考えると最後まで隠し通せるとはちょっと考えられません。そろそろ腰を落ち着けたほうがいいのではないでしょうか。(黒猫翁)

【お知らせ】次回は維新の会が「論点逸らし」の目的で指摘している藤井氏の“落ち度”について解説してみたいと思います。7つの事実の議論が実質的に進めばどうでもいい話ですが、公党が行ってしまった行為については評価が必要だと思いました。